自分は片親で母が一人で子供3人育ててくれました。
自分が工業高校に通っているときに、母は働きながら看護学校の通い准看護師の資格を取得します。
私は高校卒業後、就職せずに田舎を出て関東でフリーター経験。
成人式をきっかけに、田舎に帰り母と同じように働きながら看護学校に通い資格を取りました。
人の笑顔が好きで、それを一番近くで見ることができる職業だと思ったからです。
しかし、就職後からは看護師を辞めたいという気持ちが毎日消えることはありませんでした。
地震などの災害時や感染症の流行時には、家族と仕事の選択ができないことは精神的にとても苦しいです。
一番守るべき家族を後回しにしてでも、目の前の患者さんも守りたい。
患者さんのことや他のスタッフのことを考えると、家族を犠牲にしないといけない場面が多々あります。
それは決して強制ではありません。
人として目の前の人を助けたいという気持ちがあるからです。
コロナ感染症が流行し、我慢を強いられ、リスクにさらされ、差別を受けて、結果としていろんなことを感じ現場から離れた医療従事者も多くいるのではないでしょうか?
看護師をやめた理由
働いている病院の状況などで変わりますので、医療現場が全て下記の様でないということを誤解のないようにお願いします。
不規則な勤務時間
看護師の勤務は、夜勤があれば不規則になります。
誰か出勤困難になった場合は、急な出勤を求められたりします。
コロナ時には、スタッフの誰か感染者出た時には急な検査を求められ休日でも関係なく時間を奪われました。
勤務表は基本的に月末ギリギリで、勤務希望も3回まで等で制限されます。
そのため、子どもの学校行事等に合わせることが難しくなります。
医師との関係性
医療現場では、医師の立場が看護師よりも上に位置付けられていることが多く、これがストレスになることもあります。
患者さんに対して自分は無力だと感じさせられたり、医師と医師または医師と他の医療スタッフの間に看護師が入らされたりということも多いです。
悪くないときでも、患者さんは医師には直接言わずに、看護師に理不尽に責めることもあります。
物理的・精神的な負担
採血や点滴などで針を刺すなど患者さんに痛みをを強いる医療行為を、何度も繰り返さないといけないときは申し訳なくて辛くなります。
また、認知症やせん妄の患者から暴力や暴言を受けたり、セクハラを受けたりと理不尽なことに我慢しないといけません。
汚物や排泄物の処理などが必要な場面も多くあります。
業務の過多
出勤前には受け持ち患者の情報収集があります。
人によっては1時間以上前から、患者の状態の確認、薬や薬剤の準備、ラウンド用の台車の準備、検査や処置の準備等々行っています。
タスクが多いため予定通りに終われることは難しく、残業時間で看護記録など仕上げますがサービス残業なことも多いです。
看護業務以外に委員会や病棟会、看護連盟に看護協会の活動、研修、カンファレンス、勉強会などにも時間がとられてしまいます。
学習の多さ
看護師は常に最新の医療知識を学び続ける必要があります。
知識不足やミスが患者の健康に対し大きなリスクを伴うため、プレッシャーも大きいです。
委員会や看護研究などでも勉強が必要になることもあります。
人間関係の疲労
看護師として働くと、人との接触が多くなり気疲れすることが多くあります。
患者さんおよびその家族、同僚、他の部門の医療スタッフなど、ずっと人との関わりの繰り返しになります。
そのため、コミュニケーションが苦手な人には厳しいです。
怖いことはホウレンソウが上手くできないと、クレームであったり医療事故の原因になることです。
また、他人のフォローも必要となり、自分の仕事のことは後回しになることも多々あります。
夜勤で少ない人数での勤務の時に苦手な人とのペアは、大きなストレスです。
自分のミスで周りに迷惑かけたり、自分や自分の家族の健康的理由などで勤務変更で迷惑かけるときの憂鬱さも大きい要素です。
家庭とのバランス
看護師の勤務スケジュールは不規則で、友人や子どもや配偶者との時間を確保することが難しいです。
土日、祝日は関係なく休日でも委員会や病棟会、研修会などで病院に行かないといけないこともあります。
感染症のリスク
感染の流行期間中は感染リスクが高まり、自身の体や家族に対しての健康のリスクを伴います。
基本的に病院は健康な人ではなく、病気で症状のある人と接するため未知のウイルス感染等のリスクも発生します。
内線や外線、ナースコール対応
処置やケア中、ラウンド中でもナースセンターでコールがなり中断して対応が必要になります。
受け持ち患者さん以外の対応が必要になったりすることも多くあります。
指示受けや処方、検査などで外回りにでないといけないことも…
電子カルテ
電子カルテ使用するために十分な台数がなけらば他のスタッフが使用している場合、何もできない事もあります。
電子カルテのサーバーメンテナンスやトラブルで使用できないときには困ることも…
記録物が多い
看護記録だけではなく
- 入院診療計画書
- 看護計画と看護評価
- 転倒転落リスク
- 褥瘡計画
- 栄養評価
- 入院時の患者情報
- 看護サマリー
- 身体拘束の記録
- 認知症ケアの記録
- 看護必要度
たくさんあるため、時間外でも記録が必要なことが多くなります。
給与
参考元:厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況
看護師の平均年収は、約500万円です。
夜勤等の不規則勤務であったり、感染の危険であったりタスクが多いことを考えると決して高い給料ではないと思います。
看護師は自分には合わなかった
ゆっくりと一人の患者さんを看てあげれないジレンマと、一つのミスが命を奪うリスクの高さ。
毎日が予定外の繰り返しで、困ってもみんなが忙しいから遠慮してしまう。
勤務前の情報収集、勤務後や勤務外の各種記録や会の参加。
家族への負担の大きさ。
手を抜いても、たくさん頑張っても給与に反映されるわけではない。
これらが積み重なった結果、看護師という職業を辞める決断を下しました。
辞めたいと思ってしまうことは100%みんなが通る道だと思っています。
だけど、生活がある。
自分が悪いだけ。
辞めると他のスタッフに迷惑がかかる。
など、思いとどまり我慢して続けている人もたくさんいます。
個人事業主という選択
突発的に辞めるのではなく、ある程度の準備をしていました。
副業等を含め他の職業について、とにかく勉強をしました。
40代という自分の年齢。
生まれたばかりの次女と就職を控えた長女。
看護学校に通う長男。
家族の生活を守らないといけない責任。
老後への不安。
コロナ渦で流行った軽貨物などのギグワークも検討し、勉強と準備をしました。
看護師としての他の仕事ももちろん検討しました。
私はギランバレーの後遺症があり、皮膚や筋肉に症状があることも辞めるに至った理由の一つになります。
個人技業主の長所は上記で書いた看護師を辞めた理由につながります。
- 自分で働く時間や日にちを選択できる。
- 自分で仕事を選択し自分のペースで仕事ができる。
- 家族との時間をつくることができる。
- 頑張った分だけ報酬が上がったり、空いた時間を作ることができる。
- 人との気疲れを避けることができる。
- 学歴や経歴が影響されにくい仕事がある。
- 自分の判断で決定でき、自分で責任が取れる。
収入は不安定で、有給や雇用保険がないなどのリスクも当然ありますが一歩だけでも前に進んでいきます。
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